治療について

咬合成育について

成長のある時期のお子さん(患者さん)を支援していこうという考え方で、単純に訳せば、咬み合わせを成長させていくことですが、お子さんの全体的な生活に合わせて治療を行い、支援していくことを言います。大切なことは、ドクターや親など、周りの人間のエゴで子どもたちに関与したり治療を行わないこと。一人ひとりお子さんは違いますから、お子さんを主体とした治療を行うことです。

原因治療

当診療所では、原因治療ということを目指しています。例えば、風邪をひいて熱が出たから、熱を下げるといったような対症療法だけではなく、「なぜ、風邪をひいたのか?」と考え、ライフスタイルやその時の行動のあり方も同時に考えるようにします。薄着をしていなかったか、風邪をひいている人の側にいなかったか、うがいや手洗いはきちんとやったか、寝相は悪くないか、汗をかいたら下着を取り替えたか、部屋にすきま風は入り込んでいないか等々、原因は様々に考えられます。その原因を正さなければ、一時よくなっても、また風邪を引いてしまいます。
それは、歯の咬み合わせについても言えることです。「なぜ、そんな咬み合わせになったのか」といった原因を追求し、アドバイスをする。原因がわかっていれば、治療と同時に、予防もできます。なかなか難しいことですが、できるだけ早く原因を除去し、年少の時期からよい咬み合わせができるように、成長に合わせてアドバイスをさせていただき、治療を行なっています。


矯正歯科治療

矯正歯科治療というのは、一般的に「歯並びを治すこと」と言われていますが、当診療所の根本的な理念としては、「美味しく食べ、楽しく話すことができて一生を元気に過ごすことができる」そのために、矯正歯科治療は必要であると考えています。この「食べる」「話をする」ということは、人間の生活の中で非常に重要な部分をしめていると思います。その部分が、満たされていることが大切です。歯並びが悪いと充分な歯磨きが出来にくいことなどによって、歯槽膿漏やむし歯になりやすく、歯を維持していくことが大変困難になります。矯正歯科治療をすることによって丈夫な歯を維持し、生活の質(クオリティー・オブ・ライフ)を豊かにするために、当診療所では矯正歯科治療を行っています。
最期まで、食事を口で摂り、お話をして生活をする。これが、満たされない限りは、人間として満足されないのではないでしょうか。咀嚼・嚥下・発音・呼吸という問題をしっかりと認識し、それが正常に維持されてこそ、生活の質が保たれると思います。そうした生活を維持できるよう支援してゆきたいと思っています。

医院の紹介

治療に先立って、十分な検査が必要です。
当診療所では、治療に先がけていろいろな検査を行います。それは単に口や歯の状態をみただけでは診断がつかないからです。行う検査は通常、レントゲン写真、歯や顔の写真、上下の歯の型を取ること、いろいろな計測などです。その後これらの資料を検討して、治療のすすめ方、料金、治療期間などを説明いたします。

不正咬合によって、治療開始時期や装置は異なります。
不正咬合(悪い歯並び)は個々の症例によって千差万別です。そのために、治療開始期間や装置は患者さんによって異なります。したがって、それぞれの患者さんに最も最適な時期に最も効果的に作用する装置を使用します。

通院には1〜2ヶ月に一度です。
矯正歯科治療には、顎の発育や歯のはえる時期などの適切な時期を選ぶ必要があることや、骨の中で歯を動かすために、数年間の治療が必要ですが、通院はふつう1~2ヶ月に1度です。(期間は歯並びの種類や年令によって異なります。)

ご家族の皆様のご協力が必要です。
矯正歯科治療は診療所にきたときだけが治療ではありません。あなた自身も毎日治療しているのです。診療所を訪れるのは装置を作ったり、調整にくるためであって、家にいる時も治療を継続しています。患者さんが小児の場合はご両親の協力が必要です。

治療中の吹奏楽器のについて。
楽器については慣れが必要な場合もありますが、楽器を奏でることに問題はありません。

食後は歯ブラシを必ず使いましょう。
複雑な矯正装置には食物のかすがたまりやすいので、歯の清掃をおこたると、むし歯や歯ぐきの病気の原因になります。食事のあとには必ず歯ブラシを使うか、うがいをするよう習慣づけてください。